ACHIEVEMENTS
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ACHIEVEMENTS研究成果
ACHIEVEMENTS
プレスリリース
2020.05.14
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命科学領域 次世代量子センサーグループの五十嵐龍治グループリーダーは、広島大学の杉拓磨特任准教授、大阪大学蛋白質研究所の原田慶恵教授、量研 量子生命科学領域の白川昌宏領域研究統括(京都大学教授)らと共同で、大きさが1万分の1ミリメートル以下のナノサイズの特殊なダイヤモンドをセンサーとして用い、1分子のたんぱく質が回転する動きを捉えることに成功しました。
NVセンターと呼ばれる原子配列の乱れを含むダイヤモンドは、生命現象を精密計測する「ナノ量子センサー」として注目されています。研究グループはこのセンサーが磁気センサーであるという特徴を巧みに利用し、3次元回転センサーとして利用する新たな技術を開発しました。この技術を用い、これまで顕微鏡では捉えることのできなかった生きた細胞における生体分子の回転運動、例えばATP合成・分解酵素(ATPアーゼ)の回転運動やがん細胞表面の分子が抗がん剤と結合して回転運動に変化が生じる現象を計測することに成功しました。
この技術は、従来捉えられなかった生体分子の位置変化を伴わないわずかな回転運動を観察できるため、生命科学における新たな計測ツールや、薬剤標的たんぱく質の運動を指標とした医薬品のスクリーニング技術として利用されることが期待されます。
この研究成果は化学分野において最も権威のある雑誌の一つである米国化学会発行の「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に2020年4月14日(火)(米国時間)に掲載されるとともに、掲載当月の評価が特に高い研究内容としてSpotlightsで紹介およびSupplementary Journal Coverに採択されました。